民泊にルール必要 JATA、観光庁に要望書提出
日本旅行業協会(JATA、田川博己会長)は11月11日、田村明比古観光庁長官に「民泊の規制緩和に対する考え方について」と題した要望書を提出した。急増する訪日外国人旅行者の受入先として国が進める民泊解禁の流れに宿泊施設側からは猛反発が起こっているが、旅行業界からもあやふやな形での進展に一定の待ったをかける形だ。JATAは現在、大都市圏での宿泊施設の不足から宿泊料の高騰や日本人が宿泊できないなどの事象が起きていることから、宿泊業界への配慮も促しながらも、国家戦略特別区域で外国人限定という前提での民泊利用には理解を示す立場をとる。
ただ、今回の要望書では、特区以外の地域や日本人も対象にするといった情報が交錯している状況を危惧。情報を整理し外国人旅行者の安心・安全の確保を最重要課題として旅行業法に則った取り扱いを行うために、具体的なルールの整備を求めている。
具体的には、消防や食品衛生面、施設の管理の瑕疵による外国人旅行者への賠償などのルールの構築、内閣府・厚生労働省の「外国人滞在施設経営事業の円滑な実施を図るための留意事項」の周知・遵守の徹底を要望。また、地域住民の理解を得るためのルール作りも求めている。
そのほか、海外取次あっ旋業者の規制や、施設の提供者に対する取締りの徹底で特区以外の地域での違法な民泊の防止も強く促す。