8月月例報告 消費と輸出入を下方修正
[東京 26日 ロイター] - 政府は8月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「このところ改善テンポにばらつきもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とした。先月までの「緩やかな回復基調が続いている」という基本的な判断は据え置いたが、個人消費と輸出入の下方修正を反映させた表現に修正した。先行きについても「金融資本市場の変動に留意する必要がある」として、株価下落や円高の影響が実体経済に及ぶ可能性がないか、見極めていく姿勢を示した。個人消費は、前月の「持ち直しの兆しがみられる」としていた判断を「総じてみれば底堅い動き」に下方修正した。方向感として上向きから横ばいに転じたことを示した。全体の動きを示す6月の消費総合指数は前月比0.7%低下した。自動車販売の弱い動きが続いているほか、家電販売や旅行、外食などもさえない動きとなった。背景にある消費者マインドは、食品の価格上昇もあり弱かった。ただ、天候要因やセールの7月への後ろ倒しなど一時的な要因もあるとしている。 輸出・輸入は、それぞれ「おおむね横ばい」から「このところ弱含んでいる」に下方修正した。7月の輸出はアジア向けをはじめ、欧州連合(EU)向け、米国向けも弱かった。他方、住宅建設は「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に上方修正した。海外経済では、アジア新興国などにおいて弱さがみられるとの判断を加えた。 (中川泉)