意外と近いぞ伊豆半島(2) 自然の恵み肌で感じる1泊2日
松崎町の田んぼを使ったお花畑を抜け、宿泊地の下田市・観音温泉に向かう。ジオの雄大さに感嘆
同館は、特段何もない山中に本館、別館、日帰り温浴施設のほか、スポーツ合宿に利用される武道場やヘリポートまで備える別天地が広がっている。客室全室に源泉かけ流しの露天風呂が付き、美肌効果抜群といわれる温泉は確かにぬるぬるすべすべ。体を洗った後、流しても泡が落ちないと勘違いしたほどだ。食事は地物をふんだんに使い、伊豆グルメの代表格、金目鯛も味わった。
伊豆の食と言えば金目鯛
2日目は下田市の市街にある宝福寺を訪問。坂本龍馬と唐人お吉ゆかりの寺で、特にお吉は墓まであるほど縁が深く、幕末の悲劇に下田の歴史の深さを見る。
唐人お吉の悲運を知る
伊豆半島東側に抜け、海岸線を北上。稲取、熱川といった温泉街と海岸の眺めに温泉情緒を感じながら伊東市へ。城ヶ崎海岸は約4千年前に噴火した大室山から流れ出た溶岩が特異な地形の大迫力が圧巻。海蝕洞にかかる吊り橋はスリル満点で、周囲の絶壁はサスペンスドラマのクライマックスでよく登場する例のアレだ。
城ヶ崎海岸の海蝕洞の絶景。吊り橋を渡れば足がすくむ
伊豆半島は今年中の世界ジオパーク認定を目指しており、城ヶ崎海岸やこの後訪れた大室山などエリア全体に貴重な自然資産が充実する。専門のガイドも養成、現在144人が登録されるなど認定後を見据えた魅力の発信に取り組んでいる。
大室山からうっすらと富士山が。ここで富士山を褒め称えてはいけないそうだ
大室山から伊豆スカイラインを抜け、十国峠レストハウスで富士山と駿河湾を一望。平日でも多くの観光客で賑わう熱海から帰路に着いた。
大自然の魅力に彩られたダイナミックさが旅を支配する1泊2日。矢継ぎ早という感はなく半島をほぼ周遊でき、雄大な富士山が旅の間ついてまわるのも「遠さ」を解消させる。関西から伊豆は「十分圏内」というのが率直な感想だ。
(長池貴志)
→意外と近いぞ伊豆半島(1) 関西から海路使い余裕の周遊に戻る
1 | 2