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現場主義で旅を創造 日本の旅文化を創る会、名称変更後初の総会

現場主義で旅を創造 日本の旅文化を創る会、名称変更後初の総会
日本の旅文化を創る会(佐藤好億会長=大丸あすなろ荘)は3月18日、東京都港区の品川プリンスホテルで第8回通常総会を開いた。昨年の総会で朝日旅行協力会から名称を変更してから初めての総会で、旅文化の創造につなげる研究会設置などの事業を推進することを決めた。役員改選では佐藤会長を再選した。佐藤会長は冒頭のあいさつで、会の名称変更について「日本古来の旅行会社が持つ旅のありようを皆さんとともに創っていく会だ。日本の伝統的建築物の宿の仲間が入っている会でもある。旅を通して文化を創造し、ともに成長できる会でありたい」と強調。加えて「日本と外国の旅の違いは『旅はなさけ』という言葉があることだ。これは日本のわびさびの文化の原点であり、心の置きどころ」「特異性の旅づくりができないと存在価値はない。我々は心を取り扱っている唯一の集団だ」と持論を力説した。 佐藤会長は会名変更の意義を説明 今年度事業は後継者育成の研修会を開催するほか、温泉地における湯治文化研究会、観光学科を持つ大学とコラボし旅館経営者育成の研究会、山旅のあり方研究会など日本の旅文化を創造するための研究組織を設置することを決めた。インバウンドの対策も講じる考えだ。 また、活動をより具現化するために設けている日本の旅を守る会、日本秘湯を守る会、日本文化遺産を守る会、日本源泉湯宿を守る会といった各部会も継続して事業に取り組み、日本の旅文化を創る会をけん引する。 このうち日本秘湯を守る会からウェブ予約サイトの宿泊額は復調傾向であることが報告された。またJTBグループのインターネットサイト「るるぶトラベル」の運営会社と契約。同会の公式予約サイトと並行して新規顧客を獲得するため、会員に企画参画を呼びかけていく。 JTBグループになった朝日旅行で6年間社長を務めた井沢啓社長が4月1日付けで退任することも発表された。井沢社長は「JTBが資本参入して最初の朝日旅行の社長に就任し、この6年間、目と目を交わし、酒を酌み交わすなかで、いろんな話、経験をさせてもらった」と述べ、旅行会社の今後のあるべき姿がこの会社にあると訴え、これからも「自立と協働の関係」を継承してほしいと呼びかけた。 新社長には、ジェイアール東海ツアーズの鶴田隆志常務取締役が就任する。 日本の旅文化を創る会は、従来の朝日旅行協力会では本来の活動の方向性を表現できないと判断。朝日旅行と旅館がともに新たな旅文化を創造できるよう、各部会の考え方や活動を話し合うことに時間を割く。注目されている温泉地や観光地への研修会も年に数回実施し、日本の旅文化のあり方を現場に足を運んで模索する現場主義を重視する会でもある。
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