訪日客受入先としての産業観光 近畿経産局、交流会開き事例発表(1)
経済産業省近畿経済産業局はこのほど、大阪市北区のグランフロント大阪コングレコンベンションセンターで「産業観光ネットワーク交流会」を開いた。訪日客の視点を通して関西の産業観光施設の魅力向上を考えた。同交流会は今回で2回目。産業観光施設や地方自治体、旅行会社など産業観光に携わる団体の交流、情報交換を促すもので、昨年7月に第1回が開かれていた。
同局の桜庭昭義通商部長が語った今回のテーマは「インバウンドにおいて『見たい側と見せたい側』のギャップを知る」。「産業観光は日本の文化を知る大きなツール」として、インバウンド受入先としての産業観光のあり方を考えようと事例発表が行われた。
JTB西日本地域交流ビジネス推進室マネージャーの鳴尾仁秀さんは「関西における訪日外国人の最新動向と産業観光の可能性」について発表した。重要市場である韓国、中国、台湾、香港市場の特徴は、観光目的は香港や台湾が大半だが、進展著しい中国は約半数。さらに7割が初訪日、他国に比べ団体中心で「今はメジャーな観光地を求めている段階」だという。これを踏まえ、コアな観光分野と言える産業観光は「(日本慣れしている)リピーターに訴求する方がいい」と指摘した。
関西はアジア客比率が高く、個人旅行も多い。3月の上海のLCC、春秋航空の関空ゲートウェイ化もあり、鳴尾さんは「今後は完全個人旅行化が進む」と予測する。ここから「旅行スタイルは大きく変化し自由旅行化していく。そうなればリピーター化が進み、異文化に触れる体験素材に可能性が出てくる」とアジア客のニーズの多様化に言及し、これに対応するような産業観光素材の設定を期待した。
→訪日客受入先としての産業観光 近畿経産局、交流会開き事例発表(2)に続く
1 | 2