支部再編、財政基盤を強化 OATA、通常総会開き徳原理事長を再任
大阪府旅行業協会(OATA、徳原昌株理事長、109会員)は3月27日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテル大阪で第40回通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では徳原理事長を再任。副会長には前田栄次さん(大阪大栄旅行)、専務理事には鈴木隆利さん(ワールド・ツアー・サービス)が就任した。冒頭のあいさつで徳原理事長は、懸案の負債について「回収は予定通り進んでいる」と明らかにした。組合と組合員の財産を守るため昨年の4月に新設したクーポン保証事業利用分量共済積立金については、組合員が1カ月に発券したクーポン総額の0.2%を毎月積み立てており、現時点で2千万円になっていると報告した。徳原理事長は「1億円まで積み立て、信用と保証のOATAクーポンをさらに安定させたい」とした。
また「今年は支部再編で5支部から4支部体制になる。新規会員の増強を図りながらOATAの活性化を図っていきたい」。さらなる組織強化を行う考えを示し、協力を求めた。
OATAクーポンの2014年度(14年2月―15年1月)の売り上げは前年度比96%の94億9600万円だった。JTB、日本旅行、近畿日本ツーリストの取扱は日本旅行が12億1442万円(前年度比100%)で、JTBの12億540万円(同98%)を初めて上回った。
OATAの看板事業である「天神祭船渡御の御金幣船事業」は前年度268人の参加客を集め盛況だった。ただ、参加客の遅刻やイスの持込など新たな課題が持ち上がっており、今年度は初心に帰って集客活動に取り組むことを確認した。
16年に迎える創立40周年については、来春に記念事業と記念式典を開く準備を進める。
別会場ではOATA連絡協議会(川村智一会長=カワムラチェーン)の総会が開かれ、いずれの議案も原案通り承認された。
川村会長はあいさつの中でOATAの現状を話した。「OATAクーポンの発券額は今年1月の時点で94億円。内訳は概算だが宿泊券と船車券がそれぞれ21億円、観光券が51億円。100億円には少し足らないものの、我々にとっては頼もしい数字だ」と評価した。
このあとの講演会では大阪大学の野村正勝名誉教授が日本のエネルギー事情について講演した。
350人が出席した合同懇親会で徳原理事長は「OATAの新理事と三役が決まった。新体制でOATAの活性化に取り組みたい。受入の皆さんにはこれまで以上のご支援をお願いしたい」。
川村会長は「量を競う時代ではなくなった。少人数でも高い付加価値を付けた旅行を提案し、それに見合った金額をいただけるよう、ともに努力したい」と話した。