今夏は"東高西低" JTBが関西発旅行トレンド予測
JTBはこのほど、この夏の旅行販売状況から関西発のトレンドを分析した。海外旅行は円高基調で引き続き好調。国内旅行は東日本方面が震災の反動で伸びている。7月1日―9月30日の第2四半期に出発するパッケージ旅行商品の販売人員を集計した。
国内旅行は6月2日現在の「エースJTB」販売状況をまとめた。第2四半期の総計では2011年比で110.3%、10年比では91.0%。特に7月は、11年比では107.3%だが10年比では86.4%にとどまった。これは、海の日が16日で夏休みとの連動が薄く家族旅行の需要を取り込めていないためとみられる。
方面別では、11年比の高い順では▽関東・上越213.8%▽東京ディズニーリゾート(TDR)185.1%▽東京・横浜184.9%▽東北144.4%▽伊豆・箱根139.5%の順。震災の影響があった東日本の回復が著しい。ただ、10年比でみると、東北59.3%▽伊豆・箱根68.3%などと本格回復には遠い。TDRも10年比では98.5%だ。
逆に、西日本は前年の反動が顕著。11年比で減少率が多いのは▽大阪・兵庫69.5%▽山陰73.9%▽山陽85.7%など。九州新幹線効果に湧いた九州も92.0%。西日本で前年を上回っているのは沖縄と北近畿で、いずれも107.2%だった。沖縄は、新たに複数のホテルがオープンしたことを要因に数値を押し上げた。
売れ行きが好調な商品は「東京下町物語」や「夏ウルトラバリュー東京・横浜」。いずれも、東京スカイツリーを前面に訴求している。11年比で前者は8倍、後者は4倍と人気を集めている。
今夏の訴求力は抜群の東京スカイツリー
また、関西では節電の深刻化が予想されることから、避暑地への旅行やロングステイ型商品も好調だ。「信州まるごと大冒険」は1.5倍の売り行きとなっている。
一方、海外旅行は6月3日現在の「ルックJTB」「JTBお買得旅」の販売状況からまとめた。第2四半期総計では11年比124.5%、10年比121.2%と好調。方面別ではオセアニア、アメリカ本土、アジアが前年を大きく上回っている。売れ筋商品はファミリー向け商品が伸びている。
JTBでは「過去のオリンピックイヤーは、大型テレビの需要が高まり旅行消費の優先順位は低くなる傾向にあったが、今年はすでに地デジ移行で買い替えが済み、旅行消費の意欲は高まるとみている」と、さらなる販売増大に期待している。