【書評】文芸評論家・池上冬樹が読む『怪談』小池真理子著
怪談文芸が注目を集めている。特に実話怪談と銘打たれた文庫書き下ろしが隆盛を誇り、次々と新刊が出ているし、実話以外の正統派の怪談も人気がある。精神の暗黒を追求するノワール小説が90年代以降増えているが、東日本大震災以後、より死者の魂や存在が身近になり、眼には見えないものにこそ人の心を動かすものがあることを知るようになったからだろう。
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