【書評倶楽部】アルピニスト・野口健　『女川　佐々木写真館　２０１１年３月１１、その日から』鈴木麻弓著

　故郷、女川町（宮城県）を離れ神奈川県逗子市でブライダルカメラマンとして独り立ちしていた彼女を再び故郷に呼び戻したのは、東日本大震災だった。実家の写真店は津波で姿を消し、両親の死を受け入れると同時に生まれ育った女川で祖父、父が守り続けてきた「佐々木写真館」の３代目当主襲名を決意する。