親に抱かれて餓死する子ども、ガザを覆う飢餓 「一人ひとり死んでいくのを待つだけ」
ユニス君は意識が混濁した状態で緑のマットレスに横たわっていた。パレスチナ自治区ガザ地区南部のナセル病院。眠りに落ちては目を覚ます繰り返しの中で、茶色く長いまつげが落ちくぼんだ青白い顔の上で揺れ動く。
母親の腕に抱かれた9歳のユニス君は、栄養失調と脱水症状で衰弱し切っていた。やせ細った脚から青いジョギングパンツが垂れ下がり、オレンジ色のTシャツからは小さな肋骨(ろっこつ)が浮き出していた。
「良...