【次代への名言】司馬さん、遼(はるか)なり編(56)
《西郷の矛盾について触れておく。/かれは、幕府をたおした。/が、たおした瞬間、かれの感情というこの複雑な液体は倒されたほうへの同情で制御しがたいほどに波立ってやまなくなるらしい》 『翔ぶが如く』の一節だ。その「あとがき」で司馬さんは、幕末期の西郷隆盛を「陽画的」、維新後を「陰画的」とし、《倒幕後の西郷は、みずから選んで形骸になってしまった》とつづっている。
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