海の京都を走るダイニング「丹後くろまつ」 KTRに5月登場
「海の京都」の走るダイニングルームをコンセプトに、北近畿タンゴ鉄道(KTR)は5月25日から「丹後くろまつ号」の運行を始める。スイーツ、ランチ、地酒をテーマに1月3運行し、沿線の食を提供する。週末中心の定期運転のほか、平日は団体貸切にも対応する。丹後くろまつ号は、JR九州のななつ星などを手がけた水戸岡鋭治さんがデザイン。普通車両を全面改造し、昨年投入した観光列車「あかまつ」「あおまつ」に続き松をモチーフにした。外観は漆黒のボディーに金色の細いラインとえんじ色のアンダーラインを施した。車内はウォールナットやナラなど天然木を用いて落ち着いた雰囲気を醸し出す。定員は30人で、2人掛けのテーブルと4人掛けのテーブルをそれぞれ5卓ずつ設置している。キッチンを併設し、あたたかい食事や冷たい飲み物が提供できる。乗客をもてなすアテンダントクルーが乗務する。
漆黒のボディーの外観
定期運転は金土日祝。1両編成で走る。いずれも予約制でのみ乗車できる。
丹後くろまつ1号は「スイーツコース」とし、福知山10時22分発で天橋立11時44分着。世界的なパティシエが店を構えるなどスイーツのまちとして知られる福知山市内の菓子店から取り寄せた季節のタルトや丹波栗の和のモンブラン、シュークリームなど和洋菓子をコーヒー・紅茶などとともに提供する。かりんとう饅頭、栗のマドレーヌなど持ち帰り菓子も用意する。料金は大人4千円、小人3600円。
3号は「ランチコース」。天橋立を12時25分に出発し豊岡には14時54分に着く。京丹後市・夕日ヶ浦温泉の旅館佳松苑の総料理長が監修したランチは、京都牛のローストビーフや丹後の海山の幸の和風パエリアなど、丹後の食材をふんだんに用いたメニュー。途中の久美浜駅では、停車時間中に地場産品を購入できる駅市が開催されている。料金は大人1万円、小人9400円。
2号の「地酒コース」は豊岡17時14分発、西舞鶴19時7分着。夕暮れの景色を楽しみながら、京都府北部の酒蔵13軒の中から厳選した日本酒と、SAKEソムリエが監修した酒と相性のいい料理を味わう。隔週の土日にはSAKEソムリエの講座がつくコースもある。料金は大人5千円(講座付きは8500円)。天橋立で途中下車も可。
貸切は平日限定で、水木曜が基本。運行時間は相談に応じるが、KTRが提供(手配)する飲食を伴うことが条件で、ダイヤ編成に余裕のある西舞鶴―豊岡区間での利用を勧めている。貸切料金は定員30人分。KTRと船車券契約のある旅行会社の場合、販売手数料は10%。
定期運行、貸切運行とも5月1日から予約受付を始めている。
なお、KTRは京都府福知山市、舞鶴市、宮津市、京丹後市、兵庫県豊岡市など京都府北部に路線網を持つ。福知山駅や豊岡駅などでJR西日本と直結している。
問い合わせは電話0772―25―2323。