桜島の噴火を見たか-鹿児島市を行く(2) 錦江湾はすごい
桜島と錦江湾は昨年秋、日本ジオパークに認定された。ジオパークはジオ(地球)に親しみ、ジオを学び楽しむ地域として全国33カ所が認定されている。主に地質的に特徴のあるエリアがジオパークに認定され、ジオを切り口にしたツーリズムが各地で模索されている。ジオを学び楽しむ火山
この点、桜島はジオを学び楽しむ火山としてふさわしすぎるほどだ。なにせ、これだけりっぱな噴火をこれだけ続けているんだから。日々、地球の活動を噴火という現象で分かりやすく見せてくれている。
ジオパークの認定準備をきっかけに、桜島は眺めて周遊するだけの島から、体験する島へと変わりつつある。ガイド付きの桜島ジオツアーや海中温泉掘りツアー、シーカヤックツアー、溶岩でピザ釜作り&ピザの作り方プログラムなどが行われている。
桜島の足湯
火山地質学が専門で、火山博士として桜島ガイドツアーに同行しているNPO法人桜島ミュージアム理事長の福島大輔さんの案内で桜島を訪ねた。専門知識を土台にした、テンポのいい福島さんの解説はツアー参加者を十分に楽しませた。
福島さんの話で、なぜ桜島ジオパークではなく、桜島・錦江湾ジオパークなのかを知った。かつて桜島から北側の錦江湾最奥部に海は侵入していなかった。3万年ほど前にここで大噴火があり、鹿児島市に広がるシラス台地として数十メートルも堆積した。大量の溶岩を噴出し空になった場所に海が侵入したのが現在の錦江湾最奥部にあたる。
このとき桜島はまだなかった。桜島が海底火山として活動を始めたのは今から2万6千年ほど前と、地質学的にはとても新しい。噴火を続ける桜島は、火山としては赤ちゃんなのだそうだ。
かっこいい桜島は錦江湾の火山活動の中から誕生した。桜島・錦江湾ジオパークの名称は、そうした地質活動史を示している。
桜島フェリーはすごい
鹿児島市街から4キロ海上の桜島へは市営の桜島フェリーで15分ほど。これがなんと24時間営業だと知って驚いた。昼間は10-15分間隔、深夜は60分間隔で運航されている。東京都心でもタクシーを除いて、大晦日でもない限り24時間営業の交通機関はない。
桜島フェリーのバックには噴煙をあげる桜島
桜島には現在も約5千人が住んでいる。フェリーは年間500万人の人と150万台の車を運んでいる。
消費税増税などで4月1日から運賃は改定され、従来の大人片道150円が160円に値上がりする。それでも安い。
→桜島の噴火を見たか-鹿児島市を行く(3) 斉彬はすごいに続く
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