【書評】繊細で可憐な女性の深い愛 『ヘンリー・ミラーの八人目の妻』ホキ徳田著
詩人のランボー、長編小説を書いたドストエフスキーという対極にある2人の文学者と格闘することからヘンリー・ミラーは『北回帰線』を書き上げデビューする。決して平易とは言えないこの作品がこんなにも長く深く人々に愛され続けているのは、ミラーの持つ太陽のような明るさ、圧倒的にポジティブなその姿勢からだろうと思う。本書を読むと、そのことがさらに明瞭に具体的に理解できる。
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