【家庭医が教える病気のはなし】(27)製薬会社とどう付き合うべきか
以前にも書きましたが、私は誰とでも付き合うというのを信条としており、製薬会社の情報提供者とも付き合います。これに関してはいろいろ批判があると思います。個々の臨床医と製薬会社との付き合い方の延長上に、今回の論文捏造(ねつぞう)で問題となった大学研究者と製薬会社の利益相反があることは間違いないからです。利益相反をなくすために、「医者は製薬会社の人とは付き合うべきではない」という意見が今は主流かもしれません。しかし、私はそうは思っていません。むしろ、付き合った方がいいと思っています。なぜなら、お互いに悪い影響を及ぼし合う関係でなく、良い影響を及ぼし合うような付き合い方も可能だと思うからです。楽観的過ぎるかもしれませんが、「付き合わない」ではなく、「どう付き合うか」を考えた方が現実の問題解決につながるのではないかと考えています。