三井ガーデンホテルズ 17年までに5店舗オープン
三井不動産グループは10月16日、三井ガーデンホテルを2017年までに東京、名古屋、京都などに新たに5施設オープンさせると発表した。これにより同グループが三井ガーデンホテルズとして運営するホテルは20施設、客室数は5000室超となる。三井ガーデンホテルズは84年1月に1号店を大阪市中央区にオープンさせてから、来年で30周年を迎える。新施設の発表は30周年を控え、今後の事業戦略に関する記者発表で明らかにした。
まず、開業30周年となる14年に大阪市、京都市、千葉県柏市に3ホテルをオープンさせる。いずれも上層階に大浴場を備えるなど、観光・レジャー利用の取り込みを重視している。
このうち3月にオープンする三井ガーデンホテル大阪プレミア(271室)は、同ホテルチェーンのフラッグシップである銀座プレミア店に次ぐ、2店目のプレミアグランドホテルとなる。
客室面積を通常タイプより広い22平方メートル以上とし、洗面、浴室、トイレの水回りを分離仕様にした。また、上層階には客室がフローリングのコンセプトフロアやレディスフロア、スパフロアを設ける。
15年春には世界24カ国で「ミレニアム&コプトーンホテルズ」を100店舗以上展開するシンガポールのホンリョングループと提携し、「ミレニアム三井ガーデンホテル東京」(329室)を銀座に開業する。ミレニアムグループしては日本初上陸ホテルとなり、三井不動産グループ側が運営する。
また、17年には東海地方初の出店となる「三井ガーデンホテルナゴヤ」(300室予定)が開業する。
会見では事業戦略について、7年前にホテルの立ち位置をアッパーミドルクラスの宿泊主体型ホテルへと舵を切ったことを紹介。東日本大震災による客数の減少も同年内には回復し、現在の稼働率は90%以上と高止まりしており、関心は宿泊単価のアップにあるとしている。
その宿泊単価も2人以上の利用が多い観光利用客の増加に伴い上昇傾向にある。現在、宿泊客に占める観光利用客は5割に達しているという。
新規5ホテルもビジネスユースに加え、増加が著しい観光利用客、団塊の世代の平日利用、女性客、外国人の利用を重視している。
三井不動産の山本隆志常務執行役員は、「ホテル事業はアベノミクス効果で、今年前半から絶好調。オリンピック開催など有望な環境、トレンドに乗り、積極的にホテル展開したい」。