旅館業界まったなし―佐藤・全旅連会長に聞く(2) 耐震改修法の問題点
―改正耐震改修促進法について伺います。
あまりにも性急で、疑問をぬぐえません。そこで自民党に聞いてみました。南海トラフ地震が発生すると32万人が亡くなり被災者、被害者が950万人発生すると想定されています。その32万人を5分の1にするにはどうしたらいいのかという施策のなかで、促進法ができました。耐震工事をすれば被害が少なくなるということです。いずれはすべての建物が対象に
法改正の骨子は、不特定多数の方々が利用する旅館ホテル、学校、劇場、病院などの施設のうち3階建て以上で延べ床面積が5千平方メートル以上の建物を対象に、平成27年12月までに耐震診断をして、その結果を公表するというものです。すべての建物に対して耐震工事をして、巨大地震が発生した時に死者数を減らしたいという国の計画で取り組んでいるものです。
現在は確かに5千平方メートル以上の旅館ホテルが対象ですが、今後はその基準が下がっていくことは間違いないでしょう。今のところ5千平方メートル以下については規制しないと言っていますが、問題なのは、耐震診断を受けたところには「耐震マーク」が交付されるということです。消防法の「マル適マーク」と同じです。
つまり、耐震マークがなければ修学旅行などの旅行が受けられなくなることが考えられます。ですから、いずれはすべての建物が対象になるのは間違いないと思っています。
「国民の命を守るため旅館ホテルが受入」と語る佐藤会長
(トラベルニュースat 13年9月10日号)
→旅館業界まったなし―佐藤・全旅連会長に聞く(3) 震災の受入拠点にに続く
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