7月の訪日外国人客数、初の100万人台に 円安・東南アジアビザ緩和が奏功
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)は8月21日、7月の訪日外国人客数(推計値)は前年同月比18.4%増の100万3千万人と発表した。単月としては初の100万人を超えたことになり、過去最高の数値を記録。夏期の需要増に加え、円安傾向や東南アジア諸国へのビザ発給緩和が好影響をもたらし、訪日客1千万人の達成に一歩前進した。これまでの全月での最高は92万3千人で、今年4月に記録したばかり。これを8万人上回り、7月の最高も10年の87万9千人を12万4千人も上回るといった躍進ぶりで、訪日客増は加速を増してきた感がある。JNTOで前述の円安やビザ発給緩和のほか、従来取り組んできた海外プロモーションや航空座席供給量の増大も寄与したとみている。
国・地域別にみると、台湾、香港が単月として過去最高、台湾と香港に加え、タイ、マレーシア、ベトナム、インドが7月として過去最高を記録。最大の訪日客を送る韓国は新規就航航空路線についてのキャンペーン、女性や家族をターゲットにした情報発信などが奏功し同28.6%増の24万4千人と好調だった。台湾はLCCの新規就航など航空供給の増大で同48.7%増の23万8500人、香港は徳島や米子といった地方都市へのチャーター便運航も寄与し同65.7%増の8万5300人。ただ、台湾では日本国内の一部地域で需要増から運輸、宿泊施設の手配の困難さが目立ってきたとも指摘している。
反面、中国は日中関係の冷却化による航空供給の減少が続き、同31.5%減の14万人と低迷が止まらない。JNTOが行った旅行会社への聞き取りによると個人旅行は回復傾向だが、団体旅行の回復はまだだという。
7月に5カ国を対象にビザ発給が緩和された東南アジアは好調を持続。タイは同84.7%増、ベトナムは同59.4%増、マレーシアは同25.2%増と大きく伸びた。東南アジア市場の成長は著しく、JNTOではビザ発給緩和を契機にビジット・ジャパン事業の取り組みを強化していく。
これで13年1―7月の訪日外客数累計は同22.0%増の595万7700人となった。