【書評】『アニマルマインドと新・帝国主義』
民主党・野田政権で国家公安委員長を務めた著者は、現代の日本人が「闘争心」や「情熱」「意欲」を失っていることに危惧を表明する。その上で、政治の役割として「国家の根源的なパワーとなる『アニマルマインド』を国民の心に燃え立たせること」を強調し、国家は「国民の意識を高揚させるための装置」でなければならないと指摘する。また、その正反対の事例として菅政権時に起きた中国漁船衝突事件での中国人船長釈放を挙げ、「独立国家として自尊心のかけらもない行為」と糾弾している。政治家の著書らしからぬ刺激に満ちた内容だ。