「駅からはじめる小さな旅」 近畿観光まちづくりアドバイザリー会議、吹田市に提言書
近畿観光まちづくりアドバイザリー会議(吉兼秀夫座長=阪南大学教授)はこのほど、大阪府吹田市に「観光まちづくりへの提案書」を交付した。市民らが参画した企画「駅からはじめる小さな旅」などを盛り込んだ。近畿運輸局で行われた交付式には、吹田市まち産業活性部の平野孝子部長、一般社団法人吹田にぎわい観光協会の瀧川紀征理事長らが出席。アドバイザリー会議の委員で近畿運輸局企画観光部の森宏之部長から「これからの観光まちづくりの一助にしていただきたい」と提案書、観光パンフレット案を手渡された。
アドバイザリー会議では昨年9月に、12年度の重点支援地域に吹田市を選んだ。11月には、万博記念公園やJR貨物の吹田貨物ターミナル駅など現地視察を行い、旅行商品化を見据えた今後の観光まちづくりについて討議してきた。
吹田市ではすでに、市内に5つの鉄道会社が路線を持ち、車両基地などが多数点在することから「鉄道のまち」を標ぼうしている。3月には万博記念公園で「鉄道まつり」を開くなど、市内外からの観光客の誘致に乗り出している。
提案書では、こうした鉄道のまちを生かしながら、市内に15カ所ある駅を観光のステージと見立て、ボランティアガイドや市民参画での「駅からはじめる小さな旅」づくりをアドバイス。小さな旅のアイデアを盛り込んだパンフレットも合わせて作成し、企画の具体化を促した。
また旅行商品化に不可欠な食の魅力づくりについては「鉄道まつり」をモニターの場と捉え、地元飲食店によるグルメ開発につなげるよう進言した。
平野部長は「客観的な視点で具体的な提案をいただきありがとうございます」。瀧川理事長は「鉄道のまちに自信がなかったが、心を強くして推し進めていきたい。今後ともよろしくお願いします」と話していた。