【紅と白 高杉晋作伝】関厚夫(216)雷電篇 回天(五)
「この坂本龍馬、またの名としていま、『才谷(さいたに)梅太郎』という姓名(しょうみょう)を考えており申す。もっとも、谷は谷でも『才谷』とは、質屋から大をなしたわが本家の屋号じゃから、雪の谷間(たにあい)に咲く寒紅梅をその名にされたであろう、高杉どのとは趣(おもむき)にえろう差があるようじゃが…」 龍馬はこう言ったあと、はじめて屈託のない笑顔をみせた。
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