【手帖】小さな本にいじめなくす思い込めて
先天的に肛門が開いていない「鎖肛」の障害を持って昭和35年に生まれ、幼い頃から腹部に人工肛門を付けて生活してきた、おおがきまさみつさんの文に、やなせたかしさんが絵を提供した児童書が刊行された。『青いお月さまを見たよ もしもおしりのあながなかったら』(銀の鈴社・840円)は、おおがきさんの生まれてから18歳頃までをつづった作品。ほかの人と違う体を持つ苦労や学校でいじめにあったつらい体験、その後に元気を取り戻したことなどが、優しく語りかけるように書かれている。