【紅と白 高杉晋作伝】関厚夫(160)疾風篇 入牢(四)
晋作の「投獄日記」にしるされた匿名の訪問者が周布政之助(すふ・まさのすけ)だったとすると、周布が、晋作の座する野山獄を訪れたのは元治(げんじ)元(1864)年5月5日(旧暦)。およそ1カ月後の6月3日、周布は《心中においては青天白日、さらに一点の曇りもこれなく候》といえども、《萩にて例の酔態(酔って野山獄に行ったこと)、就中(なかんずく)御禁令にふれ候》として自主的に謹慎を申し出、藩主の認めるところとなった。
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