今年の旅行市場は活況 JTB動向見通し
JTBがこのほどまとめた2013年の旅行動向見通しによると、消費者の旅行意欲が旺盛で、海外旅行人数、訪日外国人数は過去最高と予測。国内旅行人数も増加する見込みで、蛇年の今年は低迷から"脱皮"する一年になりそうだ。総旅行人数は前年比0.4%増の3億570万人。旅行消費額は軒並み微減だが、国内、海外、訪日いずれも旅行人数は増加の見込み。
好調な予測の背景には消費者の旅行意欲と週末3連休の増加がある。内閣府の世論調査によると「レジャー・余暇」に生活の力点を置く割合が10年を底に増加。「今年前半も旅行への消費意欲は前向きとJTBは予測する。ただ、世界経済や国内景気の動向など下振れリスクもあり不透明感は否めない。しかし週末3連休がそれをカバー。12年より3回も増加することはプラス要素で旅行需要を下支えしそうだ。
国内旅行人数は同0.3%増の2億8700万人。3連休増加が大きくプラスを示した。東京は東京ディズニーリゾート開園30周年など話題豊富で昨年の人気を今年も継続。伊勢神宮と出雲大社の遷宮・遷座、大河ドラマ「八重の桜」の舞台・福島県など大きな話題は確実に観光客増加が見込めるだろう。
トレンドではJR九州「ななつ星」やJR東日本「SL銀河鉄道」など新型車両登場の鉄道に注目。自転車やロングトレイルといったアウトドア旅行も人気を集めそう。
海外旅行は同1.5%増の1870万人で過去最高。東南アジアやハワイ方面は引き続き堅調で、韓国、中国へも徐々に回復すると見込まれる。LCCの国際線拡大やクルーズ人気の高まり、記念旅行先としてのヨーロッパ・南米人気なども後押しする。
中国・韓国との関係悪化で回復が手間取る訪日旅行も同7.9%増の890万人と過去最高を予測。今年前半まで中国からの減少傾向は続くが、台湾や東南アジアは堅調、アメリカからも回復している。後戻りをする要素は少ないと考えられるが昨年の目標だった900万人には届かず、奮起が求められそうだ。