「外税表示」求める 旅館3団体が政府に要望(2)
決起大会を主催したのは全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)、国際観光旅館連盟(国観連、佐藤義正会長)、日本観光旅館連盟(日観連、近兼孝休会長)の旅館3団体。政府が3月30日に現行の消費税率5%を2014年4月に8%へ、15年10月に10%にアップさせるとした消費増税関連法案を閣議決定したのを受け、急きょ全旅連青年部の総会開催日に合わせて開催した。大会には民主党の川内博史・観光振興議員連盟会長が出席した。大会では旅館3団体の総意として消費増税に反対の意思を表示。やむを得ず増税する場合には景気回復に配慮した実施を求めるとともに、消費税の外税表示方式への変更を要望した。
消費税は04年4月から総額表示が義務づけられたが、景気低迷と価格競争の激化により、多くの旅館ホテルが消費税分を価格に転嫁できない状況になっている。さらに消費増税が実施に移された場合、増税分の負担により中小零細の宿泊業は経営の存続が危ぶまれる状況に追い込まれるとしている。
佐藤・全旅連会長は1万円でオール込みの旅館ホテルが増えていると指摘したうえで「外税表示にしておかないと、増税後は大変なことになる。外税化で旅館ホテルの利益を守る必要がある」と外税化への取り組みに協力を要請した。
また、川内・民主党観議連会長は「消費税率を2倍する大増税を許してはならない。廃案を目指すが、外税表示を明確にしておくことも大事。外税化には法的措置が必要で、そのための運動の盛り上げが必要」と全力での取り組みを約束した。
決起大会後、青年部員150人が出身県選出の民主党国会議員を議員会館に訪ね、要望書を手渡し理解と支援を求めた。
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【総額表示と外税表示】 消費税込みの価格を表示する総額表示に対し、外税表示は税抜き価格をメーンに表示できる。改正消費税法により04年4月に総額表示が事業者に義務づけられたが、現在のデフレ経済下では下請けが元請け、または顧客に消費税増分の価格転嫁をできず過度の税負担を生じさせかねないと危惧されている。
(トラベルニュースat 12年5月10日号)
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