12年を斬る「観光番付」(4) 新団体発足や100周年
東関脇の日本旅館協会発足は、紆余曲折はあったものの無事に合体したことに期待も込めて。新発想続々
西関脇にはツアーバスの規制強化。高速ツアーバスの事故以降、矢継ぎ早にバス、旅行業界に国から通達が出た。ツアーバスに限らず、貸切バスも法規制の対象になった。暮れも迫ったこの時期に、中央道が不通になってしまった。今年はバス不遇の年なのか。
番付表では東前頭5枚目にしたが、楽天トラベルが東関脇に推挙した金環日食。同社の宿泊プランはカップルや夫婦の利用が4割で、女性同士、男性同士も36%。宇宙は同性でも語り合えるロマンであることを証明した。「都内ホテルはほぼ満室状態」だった。スカイツリー効果もあり都内ホテルは3人以上が急伸しているらしく、ダブルやツインを「3名利用」に改修する動きも今年のトレンドだ。
小結も意見が割れた。じゃらんリサーチセンターの稲荷山さんは街コンを推した。まちおこしと出会いを創出するイベントとして各地で開かれている。栃木県宇都宮市が発祥地だそうだ。
楽天トラベルは「おしい広島県」を小結に。番付表では前頭筆頭のブランド県、三枚目の平清盛と重なる部分もある。楽天によると「大河、宮島水族館リニューアルオープンの影響で、宮島の年末年始の予約状況は前年比6割増」。ブランド県で言えば、香川県のうどん県、大分県のおんせん県も当たった。
このほか三役には、じゃらん特別格として新創刊「じゃらんMOOKシリーズ東北2012―13」、新サービス「iphoneユーザー向け電子版『週刊じゃらん』」のリリースを稲荷山さんがアップ。スマホ、タブレットPCは旅行ツールとしての可能性をさらに見せた年でもあった。
前頭では、JTBや吉本興業などが創業100周年を迎えた。JTBは様々な特別プランを設定した(8面参照)。大阪では新世界と通天閣が100周年で、東のスカイツリー、西の通天閣と打ち出した。通天閣は現在絶好調。さすが、したたかである。新東名高速道はサービスエリアに立ち寄るツアーが人気に。
今年は古事記1300年だった。神話、パワースポットは依然、旅のキラーコンテンツとして君臨しそうだ。
今年もまた災害に見舞われた。来年こそは平穏な年であると祈りたい。
(トラベルニュースat 12年12月10日号)
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