【話の肖像画】医の心 燎火のごとく(下)伊賀塾塾長・医師 小柳仁
小柳 三重県伊賀市に場所を決めたのは、江戸時代の藤堂藩が藩士の子弟を教育した藩校「崇廣堂(すうこうどう)」が残っていることも大きかったですね。1821(文政4)年の建築と伝えられ、修復を経て当時のたたずまいをほぼ残しています。これだけの歴史があり、国の史跡にも指定されている場で学ぶ機会はなかなかありません。伊賀塾は今回、残暑が厳しい9月の開催でした。冷房のない施設ですが、外の風が入り、かえって心地よかったですね。体でも感じて何かをつかむのが伊賀塾なのです。