【著者に聞きたい】ひろさちやさん 『「善人」のやめ方』
世にいう「善人」には、なってはいけないという。「たいていの人は、自分のことを善人だと思っています。自分よりもっと悪いやつがいるじゃないかといって他人と比較して、その他人を悪人にすることで自分を善人に仕立て上げているんですね」 ここでいう世とは「世間」のことだ。「私たちは、いってみれば世間の奴隷になっていると思うんですよ。世間とは、嘘いつわりだと思ったほうがいい。なのに私たちは、自分を軸にして生きられない。いつも他人の言動を気にしてしまう。それが世間です。だれが何といおうと、人生は自分のためにこそあるのですが」なかなかそれがわからない。人間の哀(かな)しさといってもいいのだろうか。そこで書こうと思ったテーマが「脱世間の生き方」になった。