史上最高の海外旅行者数へ 日本交通公社、セミナーで市場分析
公益財団法人日本交通公社はこのほど、大阪市内で海外旅行マーケットセミナーを開いた。過去最高の旅行者数を記録した2001年を上回る勢いで推移する海外旅行の復調ぶりや、LCC参入による市場拡大の見通しについて関係者が意見を交わし分析した。今年の海外旅行者数は1830万6千人に達する見込みだ。これは、01年の1822万3千人を11年ぶりに上回り過去最高になる数字。市場をけん引しているのはシニア層だが、勢いづけているのは20代の女性だという。
同法人の黒須宏志さんは、震災や金融危機を経て消費行動が変わってきたと分析する。「消費活動としての旅行から、自己投資を意味するプライベートな体験としての旅へ移行しています」。その動きを黒須さんは「旅への回帰」と評した。
今後について黒須さんは、航空座席の供給量に伸びしろがあることやLCCによる新規需要の創出で短期的には好調が続くと予測する。中期的にも団塊世代が65歳を過ぎる14年まではシニア層が堅調で、若年層の伸びも期待できるという。そのためベストは、羽田空港の国際線旅客ターミナルが拡大することで2014年にも2千万人を超えることが推測できるとしている。