民泊新法第3幕の闘い 日本旅館協会、条例で除外地域指定陳情促す
日本旅館協会(2699会員、針谷了会長=滋賀県おごと温泉・湯元舘)は6月13日、東京・竹芝のホテルインターコンチネンタル東京ベイで2016年度総会を開き、民泊新法(住宅宿泊事業法)への対応、生産性向上への取り組み、宿泊実績調査の拡充などを柱とする17年度事業計画と予算を承認した。針谷会長は民泊新法について「新法成立後、中央では政省令やガイドラインといった第2幕の闘いが始まっている。そして第3幕が地方自治体による条例をめぐる戦いだ。条例によって民泊除外地域をつくることもできる」と県や市町村への陳情を促した。
また、宿泊実績調査については「北海道や東北は先行している。インターネットを使えば1分の作業。熊本地震でも政府から求められたのは、どれくらい売り上げが落ちたかが分かる具体的な数字。これが180億円の復興予算につながりました。日ごろから統計を持っていれば、スピーディに対応できる」と調査への参加を求めた。
総会では生産性向上や宿泊実績調査の拡充についての取り組み強化も議論
同協会では本部で対応している民泊問題に加え、総務、観光立国、クレジットカード、IT戦略、労務の5つの専門委員会で重要課題に取り組んでいる。
このうち生産性向上については、労務委員会が中心となり、16年度は観光庁の主催で全国20カ所で旅館ホテル業の生産性向上を図るためのワークショップが開かれ、175施設の230人の参加を得たほか、観光庁HPで事例集も公開している。17年度は外国人労働者の雇用促進についても取り組むことにしている。