新会長に望むこと
全旅連の次期会長に多田計介副会長(石川・ゆけむりの宿美湾荘)が選ばれた。2月20日に行われた理事会で、任期満了に伴う役員改選の結果、ともに立候補していた現職の北原茂樹会長(京都・旅館こうろ)に10票差で競り勝った。候補者は2人とも社会問題になっている民泊をはじめ旅館営業の根幹に関わる耐震改修や労働環境の改善などの課題に取り組んできた。宿泊業界を取り巻く環境の厳しさの中での選挙ではあったが、日本旅館協会ともさらに連携を深め一丸となって諸問題への対応をお願いしたい。
来月、石川県で国内観光活性化フォーラムが開かれる。主催する全旅協の会長といえば二階俊博自民党幹事長である。いち早く観光立国の必要性を訴え、政財界に影響力を持つ人物を長年トップに迎えていることは旅行業界にとって僥倖である。
薄利多売の手数料ビジネスで成り立ってきた旅行業界は人口減少時代を迎え岐路に立っている。異業種や他産業からの参入、インバウンド増による市場の変化など、既存の事業モデルが成り立たなくなってきていることを肌身でお感じになっている読者も少なくないだろう。
ピンチをチャンスに変え、国内観光活性化のけん引役を団体トップに担ってもらい、業界の総意として一歩前へ進みたい。
(トラベルニュースat 17年2月25日号)