旅館業の貸付限度額を拡大 16年度の生衛資金貸付
日本政策金融公庫はこのほど、東京・新橋の全国生衛会館で生活衛生資金貸付(融資)の2015年度実績と16年度予算案について説明会を開き活用を呼びかけた。15年度の貸付額は15年4月―16年1月の実績で前年同期比23.4%増の535億円と推移している。貸付全体の4割を占める創業者への融資も同20.3%増と同程度の伸び。公庫では「生衛業の景況が回復基調にあること」が貸付額増加の要因としている。
16年度の生衛資金貸付予算は前年度と同額の1150億円。環境対策関連貸付で、旅館業(振興計画認定組合の組合員)に対する運転資金貸付限度額を従来の5700万円から8700万円に拡充するなど、貸付額の拡大や資金使途の拡充といった改善を行っている。
旅館業の貸付限度額の拡大は全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の強い要請を受けての措置。旅館業の設備資金の上限は7億5千万円。このほか一般貸付または振興事業貸付の限度額を「運転資金・設備資金合わせて上乗せ3千万円」から「運転資金・設備資金それぞれ上乗せ3千万円」に拡充した。
また、資金使途に新たに「耐震改修に伴い必要となる運転資金」(特別利率A)を追加した。耐震改修工事による休業期間の給与支払いなどが貸付の対象になる。