上から目線でいいのか
ある旅館の営業担当者曰く。「なぜ旅行会社って、上から目線の人が多いんでしょうね」。事あるごとに「お前のところに、いつも客を送ってやっているんだ」と言われる。が、せいぜい年間で20―30人。別の旅行会社は年に10人ほどに過ぎないのに「当社がお前のところを支えてやっている」。10室ぐらいの小規模な宿ならともかく、500―800人収容の旅館営業担当者にすれば、表面上は殊勝にしていても腹の中で笑っていてもおかしくはない。
そこまで言われてもこの営業担当者は、これまで世話になってきた旅行会社そのものに感謝の気持ちを忘れたことはない。旅行会社の存在意義も認めていて、現地には旅行会社の大切さを訴え続けてきた。
「正直なところ、どの現地旅館も旅行会社からの送客より直予約ばかりに頭がいって、販売チャネルとして旅行会社に重きを置かない旅館が増えています」。そんな時代になっても「~してやっている」という旅行会社の態度はどうなのだろう。
上から目線ではなく、同一目線で客と旅館を見てほしい。目線が同じになれば旅行会社と旅館の関係も違ったものになり、新たな価値観を共有できるようになるのではないか、と営業担当者。この言葉を旅行会社の皆さん、どう受けとられますか?
(トラベルニュースat 16年3月10日号)