エコミュージアム構想で観光誘客本格化 滋賀県愛荘町
滋賀県愛荘町から宇野一雄町長、町商工観光課の西川傳和さんと野々村直幸さんがこのほど、トラベルニュース社大阪本社を訪れ、多彩な町の観光資産を紹介した。琵琶湖の東部に位置する愛荘町。鈴鹿山系からの湧水が豊富で古くから人が暮らしてきた。現在でも、酒蔵や飲料メーカーの工場が立地する。町の南北を縦断して中山道が走り、湖東三山の一つ金剛輪寺をはじめ歴史文化資産も豊富。町ではこれらの資産をつなぎ、滞在型の周遊観光が楽しめるようエコミュージアム構想を進めている。
宇野町長は「今年は市町村合併からちょうど10周年になります。これを機に、観光客誘致を本格化したいと考えています」。
観光誘致の基盤も整い始めた。3年前には名神高速に湖東三山スマートインターが開設され、昨年11月には観光情報発信施設「湖東三山館あいしょう」がオープン。町の林野で伐採した間伐材を用いたかまど炊きごはんを提供する食事施設を備える。「かまどで炊いた近江米、地元食材をぜひ」と西川さん。
中山道の66番目の宿場町だった愛知川宿は古い町並みが現存する。重要文化財の料亭「竹平楼」は湖国料理で知られている。17年度には、大正期に建てられた旧愛知郡役所を街道交流館としてリニューアルし、湖東三山館と並ぶ観光拠点にする計画だ。野々村さんは「愛知川宿は66にこだわったまちづくりを行っています。66かまど祭などイベント、町特産の山芋を使った66うどんも誕生しています」。
さらに、美しい刺繍の手まりがびん玉の中に入ったびん細工手まり、近江上布や近江刺繍といった染織文化など、愛荘町ならではの伝統工芸も数多く、これらは制作体験をすることもできる。
「UCC上島珈琲やコクヨの工場見学など産業観光の素材もあります。京都から40分、名古屋から1時間と至便な愛荘町で、まちの魅力を滞在して感じていただける観光商品をぜひ開発ください」と宇野町長。
今年5月1―20日には金剛輪寺で「平成の大曼荼羅特別公開」が行われる。
宇野町長を中央に滋賀県愛荘町の皆さん