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「ようこそ日本へ」 東京国立近代美術館で1920-30年代のポスター展

「ようこそ日本へ」 東京国立近代美術館で1920-30年代のポスター展
1920年代から30年代に、訪日旅行を海外に向けてアピールした観光ポスター展「ようこそ日本へ 1920―30年代のツーリズムとデザイン」が1月9日、東京・竹橋の東京国立近代美術館で始まった。年間の訪日旅行者が2千万人に迫るなど外国人旅行者が急増する今、当時の日本が海外に何をアピールしたのかが興味深い。2月28日まで。観覧料は一般430円、大学生130円、18歳未満は無料。2月7日は無料観覧日。ギャラリーに入ってすぐに「朝鮮へ、満州へ」と大きく描かれた鉄道省のポスターに足が止まる。この時代、大陸への旅行は国内旅行。日本、朝鮮半島、中国の地図に「朝鮮博覧会見物と鮮満視察」の文字が描かれたポスターもある。今なら日中韓の3カ国をめぐる東アジア周遊観光への誘いということになる。 大陸への"国内旅行" 日本髪に和服の美人画を配した多くのポスターのなかで、世界地図を横綱が股にかける大胆なデザインのポスターも目を引く。五重塔と桜、お城と紅葉、富士山や古都奈良を描いたポスターなど、今と変わらぬ素材のデザインも多い。 唯一ビデオ上映されている1936年制作の25分の白黒映像「日本三週間の旅」がおもしろい。客船で横浜港に着いた外国人カップルがJTBの前身のジャパン・トラベル・ビューローで日本旅行を手配し、3週間の旅に出る内容。東京では銀座や皇居、歌舞伎座や明治神宮を見物。人口600万人の東京は、今ほどせわしくないように見える。明治神宮の大鳥居の後ろに立つ樹木は、まだ鳥居よりほんの少し高いだけ。80年後の今、明治神宮の樹木は大きく成長している。 旅行者は日光、鎌倉、箱根、名古屋、京都、大阪、神戸、宮島、別府、阿蘇、雲仙をめぐり、再び客船で帰路に着く。フィルムに登場する女性は皆美しく、今と異なり厳選されたことをうかがわせる。各地の風景やまちの様子、列車の展望車両からの眺めもすばらしく、初めての国に行くように30年代の日本を旅したくなる。
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