耐震改修と民泊緩和 日旅協関西、目下の課題解消へ一手を
日本旅館協会関西支部連合会(増田友宏会長=春日ホテル)はこのほど、大阪市東淀川区の大阪コロナホテルで第2回常任理事・理事会を開いた。増田会長は「耐震や民泊など旅館経営を左右する大きな問題が起こっている。特に耐震における改修工事に関しては自治体で補助金がバラバラという状況下にある。民泊も国家戦略特区として位置づけられているが、我々は旅館業法に縛られているなか不平等感は否めない」と旅館業界を取り巻く問題について言及した。
本部報告ではIT戦略委員会に出向している石橋政治郎会計理事(大和屋本店)が「オープンウエブは今年に入りビッグローブ、セブンネットが加わった」と話し、オープンウエブへの加入を促していることを明らかにした。総務企画部、IT戦略部、インバウンド事業部、青年グループからも事業活動の報告が行われた。
全旅連の北原茂樹会長(旅館こうろ)は「国が耐震工事を行っていない旅館を発表するといっているが、発表の時期を遅らせてもらえるよう陳情を行い、全体運動として広げていきたい」と述べ、民泊に関しても「規制を緩和するよりも、すでに違法営業しているところを取り締まるべきだ」との考えを示した。
また大阪府議会で民泊条例が可決されたことについて岡本厚副会長(節王閣)は「条例の内容は厳しいものであり、法律ができた方が民泊の足かせになると思っている」と話し、「以前、廃案になったホテル税を大阪府が取ろうとしている。前回同様、旅館業界としては反対の姿勢を示したい」と訴えた。
理事会終了後、リョケンの木村臣男会長が「これからの旅館経営=考え方・進め方 常に打つ手はある=有法子(ユーファーズ)」を主題に講演。木村会長は「今、関西は内外から多くの観光客が訪れ、バブル期にある。プレミアム旅行券も好評のようだが、需要の先食いだ。こういった反動がいつ来るのかを考えておかなくてはいけない。しかし、どのような状況になっても『常に打つ手はある』という中国のことば有法子を念頭において、経営のあり方を考えていくべきだ」と話した。