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国籍なき観光の時代

国籍なき観光の時代
今、話題のハリウッド映画「ラスト・ナイツ」。これまで「CASSHERN」や「GOEMON」などを手掛けてきた紀里谷和明監督作品だ。紀里谷監督はあるインタビューで「20年ほどしたら日本映画という概念はなくなる。『映画』という概念で、いろんな国の役者やスタッフが一緒になって作り、たまたま言語が日本語や中国語、ドイツ語かもしれないという話」と語っていた。日本政府観光局が発表した10月の訪日外国人数は対前年4割増の183万人で、1月から累計すると1631万人。年内に1900万人を突破するといわれている。今やどこへいっても外国人観光客の姿が見られ、場所によっては日本人を見つける方がむずかしいところも出てきた。ある地方のまちで年齢を重ねたご婦人が「こんな田舎の家の前を外国人が歩いている姿を見るなんて考えたこともなかった」と言っていたという。どこであろうとも日常的に外国人を目にするのは、そう遠いことではないのかもしれない。 観光においても、インバウンドという言葉は近い将来なくなるかもしれない。旅行客の国籍がたまたま日本人か中国人、アメリカ人というだけだ。どの国籍かは関係がない観光地づくりを目指さないと置いてけぼりになる時代が来るだろう。 (トラベルニュースat 15年11月25日号)
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