「3つ星街道」売り出す 金沢市が東京で説明会/石川
石川県金沢市はこのほど、東京・銀座のホテルモントレ銀座で観光説明会、「ダイニングギャラリー銀座の金沢」で交流会を開いた。旅行会社やメディア関係者などが出席した。説明会は芸術の街、金沢を印象づける「オーケストラ・アンサンブル金沢」による弦楽二重奏で幕開け。あとは山野之義・金沢市長の独壇場で約1時間にわたり金沢をトップセールスした。
3月14日の北陸新幹線開業で空前の旅行ブームに沸く金沢市。市長の口からは4―7月の入込が、昨年の在来線特急比で新幹線利用旅客は約3倍の482万人、美術館など市内17文化施設の入館者数は30%増の148万人、兼六園入園者数は47%増の173万人などと語られる。
なかでも外国人観光客が大幅に増えており、統計を取っている兼六園は、年間では昨年の2倍に届きそうな勢いだという。市では外国人旅行者にニーズの高いWiFi環境の整備に取り組み、市内の主な観光スポットでは、すでに完了させている。
一方で、市では市外の観光地、自治体との連携にも取り組む。「金沢市単独では京都や北海道、沖縄にかなわない。ただ、広域観光なら負けていない」と山野市長。
売り込んでいるのが「北陸飛騨3つ星街道の旅」。兼六園を始め、世界資産の五箇山と白川郷、飛騨高山といずれも「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で3つ星評価の観光スポットの周遊を呼びかける。兼六園から五箇山までは車で45分、五箇山から白川郷を経て飛騨高山までは車で約1時間などと、具体的な距離感も説明。来年からは国宝松本城を擁する松本市も3つ星街道に仲間入りし、金沢イン、松本アウトの周遊ルートも提案する。
ただし「行政が提供するのは素材だけです。武士の商売は失敗します。素材をつなげて商品化するのは民間にぜひお願いしたい」。山野市長はプレゼンテーション中、行政と民間の役割分担について繰り返し強調した。
金沢市内にある重要伝統的建造物群保存地区は全国最多タイの4カ所。石川県だと単独で全国最多の8カ所。金沢城公園には3月に復元した「玉泉院丸庭園」が開設、ブームの観光列車は10月3日、JR七尾線に「花嫁のれん」が運行を開始した。