地旅の宿ネット九州が研修会 天草など地域資源活用事例を発表
地旅(着地型観光)による地域活性化の推進を目的とする「地旅の宿ネットワーク・九州ブロック会」の第2回研修会が9月10日、熊本市中央区の熊本市民会館崇城大学ホールで開かれた。25社の宿泊施設が参加し、各施設で進めている地旅関連の取り組みを報告した。研修会の冒頭、全旅の池田孝昭会長は「地域の人たちと関わり、地域ならでは地旅商品を造ることが地域活性化の源になる。九州で地旅商品のモデルを造り、全国に情報発信をしたい。今日、お集まりの皆さんはそれぞれ地旅の取り組みを行っておられる。互いの情報を持ち帰り活用してほしい」と呼びかけた。
発表会で、天草松島温泉・松島観光ホテル岬亭の橋本久美子さんは「貸切バス料金の値上げでバスの利用時間を減らすため、天草の島々を船でまわるツアーを提案した。グルメにも力を入れた内容にしたところ、関東など遠方から予約が入りました」。マリンスポーツやトレッキングツアーも造成し、滞在時間の延長につなげている。
天草市・天草プリンスホテルの国武裕子さんは「女将と歩く早朝ウオーキング」を紹介。宿泊客に早朝ウオーキングを促し健康増進の朝食を組み合わせたプランで、これまでに1万人が参加した。2013年には第6回ヘルスツーリズム大賞を受賞している。
国武さんは「42のヘルスツーリズムコースを用意しており、各コースの所要時間は30分から2時間30分で、参加される方が選択しやすいようにしています。リピーター客も増えています」と話していた。
このほかの参加者からもイルカウオッチングやパワースポットめぐり、ラフティングなど地域資源を生かした取り組みが発表された。
全旅旅行部会の武井哲郎部会長は「弊社が最も推進しなくてはならないのは地旅の開発です。担当部署として重い責任を感じている。今日、学んだことを活用したい」。協同組合全旅九州沖縄受入協定会・九沖会の会長でもある高島淳一地旅の宿ネットワーク九州ブロック会会長は「活発な意見をぜひ現場で生かしてほしい」と語った。
基調講演では、まちづくり観光研究所の奥坊一広所長が「インバウンドで観光業は盛況のように見えるが、今後は地旅のようなその地ならではの旅行商品を持っているところに注目が集まる。今のうちに開発しておく必要がある」と話した。