インバウンドでアツい大阪 エクスペディア、上半期の人気解説
世界最大手のOTA、エクスペディアが「今インバウンドでもっともアツい都市は大阪」と発表した。2015年上半期のアジア各国の海外旅行人気の都市ランキングで大阪の人気が際立ったという。大阪のインバウンド事情は8月25日に大阪市内で開いた旅館ホテルが対象のパートナーイベント、マスコミ対象のメディアラウンドテーブルで明らかにした。
エクスペディアが各国で比較した15年上半期の海外旅行人気都市ランキングで大阪は、韓国が1位、台湾と香港とタイで2位だった。実際の伸び率でも大阪は前年比200%と急伸しており、東京の同168%を上回っている。東京や京都はアメリカ人が約3割を占めるが、大阪は対照的にアジアのシェアが高い。
大阪人気についてエクスペディアでは、関西空港の戦略でアジア各国とのLCCが大幅に増えたこと、東京より物価が安いこと、商店街が多いこと、アジア人の舌にあう食、大阪城などが要因としている。
大阪人気を裏付けるのは宿泊地にも傾向が出ている。欧米系は難波と梅田でほぼ二分するのに対し、アジアは韓国の58%を筆頭に難波に集中。大阪に訪問する動きも、欧米が東京、京都の流れで梅田などに宿泊するのに対し、アジアは関空インで難波に直接入り、大阪がメーンで、京都はついで観光の位置づけだ。
パートナーイベントで大阪観光局の井村悟郎さんは「リピーターが増えるとともに、大阪中心の狭域旅行になってきた。震災以降は、初の日本の旅行に大阪を選択する人が多くなった」と話す。
エクスペディア西日本エリアマネージャーの赤井亮太さんは「すでに関西を訪れる外国人の7割は個人旅行。大阪市内で宿泊は取りにくく、個人手配によるJRパスの普及で神戸、奈良、さらに地方へと宿泊地が広がっていく」と見通す。同社でも、旅館業法を遵守したゲストハウスなどとのパートナシップで市場の拡大に応じたいという。