夏休みは国内旅行が活況-JTB・楽天見通し 北陸好調、海外は低迷
JTBがまとめた夏休み(7月15日―8月31日)の旅行動向の見通しによると、1泊以上の旅行に出掛ける人は前年比0.1%増の7816万人で、1969年の調査開始以降で過去2番目となる見込み。低迷が続く海外旅行を好調な国内旅行がカバー、まずまず活況の夏休みとなりそうだ。好調の要因は、所得向上もあって、総務省発表の5月の家計調査で消費支出が14カ月ぶりに前年同月を上回るなど消費の回復が背景にある。今回の調査で旅行支出を増やしたいと考えている人が対前年を上回ったことからも、消費者の旅行意欲の高さがうかがえる。
国内旅行は同0.2%増の7561万人。旅行目的は「帰省」「温泉」「自然や風景を楽しむ」が人気で、「観劇」「イベント参加「スポーツ観戦」をも昨年を上回った。方面別では、北陸新幹線開業効果が続く北陸や、サミット開催が決まった伊勢志摩に注目が集まる。東海、北陸、関東、沖縄、甲信越が前年を上回る見込み。出発ピークは8月12―14日。
海外旅行は同1.9%減の255万人。円安傾向や国際情勢、感染症への不安などが影響して欧州、マレーシア、韓国が減少、グアム・サイパンも航空便減便の影響で前年を下回りそう。反面、航空便増便の台湾やオーストラリアが好調。ハワイも例年通り堅調だという。出発ピークは8月8、12、16日。
また、今年は9月のシルバーウイークでの旅行を計画している人が多く、この期間の予約状況は前年同期比で180%。これも夏休みの動向に影響を与えている。
調査は1200人のアンケート結果とJTBグループの販売予約状況などから推計した。
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楽天トラベルの夏休み期間の予約状況では、国内宿泊は同35.4%増と大幅増。訪日旅行者増の影響から早期予約が大きく増えたことと、所得向上から高単価傾向が特徴だという。方面別では富山県が同91.3%増、石川県が同77.0%増とやはり北陸の伸びが目立つ。高野山開創1200年効果で奈良県も同86.0%増と躍進した。
海外宿泊は同14.1%減と低迷。そのなかにあってベトナムやタイといった東南アジア方面が好調だ。