創業110周年迎え「三方よし」へ 日旅連関西が総会
日本旅行協定旅館ホテル連盟関西支部連合会(田岡茂会長=心の宿三國屋)は2月25日、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で第44回通常総会を開いた。田岡会長は冒頭、耐震問題に触れ旅館業界が一丸となって解決していこうと述べ、そのあとインバウンドにも言及。「諸外国から多くの方々に来ていただき1千万人をはるかに超える数字となっている。これからも各地域で観光素材を磨いて日本旅行さんと手を取り合って頑張っていこう」と話した。
日本旅行の丸尾和明社長は「今年日本旅行は創業110年の節目の年を迎える。我が社は滋賀県草津市が発祥の地。現在があるのも関西の皆さんの一方ならぬご支援のたまもの」とあいさつ。
滋賀県には近江商人の「三方よし」という考え方があるが、丸尾社長は現代風に置き換え「お客様、受入施設、そして我々の三者がウインでないといけない」とし、ウイン・ウイン・ウイン運動を呼びかけた。
このあと昨年度の数字にも触れ「国内旅行を中心に、まずまずの数字を出すことができた」と話した。今年度は中期経営計画「アクティブ2016」に全力で取り組み、ビジネスモデルの転換を成し遂げたいとした。
またインバウンド事業の強化や山陽新幹線全線開業40周年を契機に西日本全体を商品化したいという考えも披露。団体マーケットの拡大や女子、シニア、ファミリーをしっかり伸ばしていきたいと語った。
日旅連本部の齋藤茂行副会長は「旅連本部としては地方の行政と関わりを深め、着地型旅行商品の必要性を訴え、魅力ある商品を造っていきたい」「日旅連塾で若い人にマーケティングや経営を学んでもらい、個々の旅館経営に役立ててもらっている」と話した。
日本旅行の菊池憲一常務取締役執行役員西日本営業本部長は「西日本の数字はNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』や和歌山DC、あべのハルカス、USJのハリーポッターなどが好影響を与えた。前年を上回る数字を達成できたのは皆さまのおかげ。今年も地方創生で予算化されたものを活用して地域の掘り起こしを行う。また創業110周年を機軸に商品造成を図りたい」と話した。
任期満了に伴う役員改選では田岡会長が再選された。今年度事業は宿泊券増売のための商談会、赤い風船のインターネット商品への取り組みなどを決めた。