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「観光大国」へ前進 JATA田川会長が講演

「観光大国」へ前進 JATA田川会長が講演
このほど神戸国際大学で開かれた観光フォーラム「関西のインバウンド戦略」で日本旅行業協会会長の田川博己さんが「観光立国における関西への期待」と題して特別講演を行った。強調したのは観光立国の一歩先、「観光大国」への前進だった。関西は「歴史文化首都」へ 講演の前提としたのが「地域の宝に磨きをかける」。観光立国と言われて12年が経ち、訪日客1300万人を超えたが、田川さんは「日本にはいろいろなものがありすぎて、(地域の宝に)まだまだピンときていない」と話す。 その上で「観光立国というプロセスよりも、どう観光大国になるかというステップの高い話をした方がいい」と提言する。訪日客拡大へ向け、現実的な課題や地域の魅力を認識し、方向性を見定めたうえで「観光先進国」という高みへ前進しようという呼びかけだ。 課題はビザのさらなる緩和やランドオペレーターの法制度、オープンスカイ推進、MICE、クルーズ環境の整備など多岐にわたるが真の発展には急務と指摘。 関西の魅力については世界遺産が集中しているなど資源が豊富で「奥が深い」と評価するが、「当たり前に感じているものが多いのでは」と冒頭の言葉をもう一度投げかけた。そして「東京は政治首都だが、関西は歴史文化首都を目指すべき」と先駆的な活躍を期待する。 関西への期待を語るJATA田川会長 また、「関西は核論は多いが総論を持っていない。そこを落とし込む作業を」。その答えとして提案したのが「スポーツと文化と教育の融合」だ。「関西は全国的にも珍しくこれらのベースが揃っており、バランスもいい。このフィルターを通せば地域としての答えが出てくるのでは」。 最後にツーリズム産業に必要な「人財」像。「市場があるからといって稲刈はやめて開墾して田植えするという発想を」。安売りせずに質を高め、見合った価値を生み出すべきという考えで、そのためには「成長と発展を見極めることが必要」という。 それは地域にも通じ、「まだ外国人を受け入れる気持ちになっていない地域が多い。自分のまちを高め、観てもらおうという意欲を高めるべき」と強調した。
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