双方向で700万人実現へ-日韓観光関係者一堂に東京でシンポ(1)
日本と韓国の観光交流拡大策を議論する「日韓観光交流拡大シンポジウム」が日本政府観光局(JNTO)の主催で12月3日、東京・お台場のホテルで開かれた。両国政府関係者や旅行業界幹部ら300人が参加。2015年の日韓国交正常化50周年や18年の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック、20年の東京オリンピックを観光交流拡大の好機として、両国観光業界が協力していくことなどを確認した。15年は未来志向の年に 国交50周年と五輪で観光交流拡大
日韓の政府間交流が停滞するなか、日韓の観光促進を考えるシンポジウムは今年8月にもソウルで開かれたばかり。15年の日韓国交正常化50周年を日韓観光交流の追い風にしようという、両国観光関係者の強い意欲の表れと言える。
日本側からは200人が出席。JNTOの松山良一理事長は「地方交流を重視しながら、日韓双方向で700万人の相互交流を早期に実現したい」と意欲を示し、観光庁の久保成人長官も「よりよい二国間関係の基盤として観光による相互交流は継続的、安定的に推進すべき。50周年を迎え、双方の実務者レベルで具体的な連携、協力を図りたい」とシンポジウムに期待を示した。
両国の観光交流拡大を考えたシンポジウム
また、日本経済団体連合会の大塚陸毅副会長(JR東日本相談役)は「韓国からの訪日は回復基調だが、日本からの訪韓は低迷が続いている。政府間の関係が観光に暗い影を落としているが、2015年は未来志向のすばらしい年にしたい」と話し、経済界がけん引役を果たしたいとする考えを示した。
韓国からは約100人が参加。日本の観光庁にあたる文化体育観光部の金鐘・第二次官、韓国観光公社の卞秋錫社長、韓国旅行業協会(KATA)の梁武承会長らがあいさつし「韓国の地方観光のコンテンツを豊かにしていく」(金・第二次官)、「日本から韓国は首都圏中心の観光から、地方への拡散が求められている。スポーツ、自然体験など旅行商品の開発と販売を拡大していきたい」(卞・韓国観光公社社長)、「両国50年間の観光客の数だけパートナーシップは強化されている。平昌と東京のオリンピックに向けては、韓日が共同でプロモーションすることが必要」(梁・KATA会長)などと、両国間の連携強化への期待を述べた。
両国観光関係者が壇上に並び交流へ強い意欲
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