観光地を一言で表現
JRグループ旅客6社と自治体、地元の観光事業者らで実施する大型観光キャンペーンのことを「デスティネーションキャンペーン(DC)」と呼ぶ。1978年11月の国鉄(当時)と和歌山県が共同で行った「きらめく紀州路」キャンペーンを皮切りに各地で行われるようになった。それから36年。現在「和み、和らぐ。和歌山からはじまる旅。」のキャッチフレーズのもと最新のDCが和歌山県で実施されている。
このキャンペーンから「美しくに伊勢・志摩」、「さわやか信州」、「うるおいの新潟」といった数々の名キャッチコピーが生まれた。残念ながら今も使われ続けているのは「京の冬の旅」キャンペーンだけ。79年が最初でその後中抜きになったものの、00年から現在まで毎年冬季キャンペーンで活躍中だ。
京都の例でわかるとおり、一言で県・観光地を表すキャッチコピーは少なくなり、また継続して同じコピーを使うこともなくなっている。「さわやか信州」なんて、この言葉だけで長野県の観光が清々しいものに思えてくるのだった。最近のDCでは説明調のコピーが流行のようだが、情報が錯綜している今だからこそ、一言で県・観光地を表現し、その地への旅の魅力がイメージできる言葉が新鮮に思える。
(トラベルニュースat 14年11月10日号)