【鈍機翁のため息】(160)ごたごた I 奔放な娘に振り回され…
もはやバリャドリードの舗道は歩けない、と感じたセルバンテスは人目を避けるように場末のアパートにこもって、中短編小説の執筆に専念する。それらは『模範小説集』(全12編)を構成する重要な作品となる。『模範小説集』は国書刊行会の「スペイン中世・黄金世紀文学選集」の一冊として出版されている。本人が「模範」と付けるだけあって、いずれもが奇想天外な発想と見事な技巧が融合した逸品だ。
日本の旅行をもっと面白くする