地域活性化へ協働-地旅の宿ネットワーク(2) 宿と旅行会社の新たな関係
地旅の宿ネットワークは▽旅館ホテル、地域、旅行会社が協働し企画造成した着地型旅行「地旅」によって、その地域でしか感じ得ないおもてなしを旅行者に提供する▽地旅を推進する旅館ホテルの健全経営にも寄与することで地域活性化につなげる―ことが目的。全旅を通じて全国のANTA会員5400社と連携をとり「地域を元気にするために名実ともに旅館ホテルと旅行会社が車の両輪になる」(池田社長)として、過疎化対策や地域経済の浮揚など、観光産業がけん引する新しい地域マネジメントの構築を見据える。着地型で付加価値 九州皮切りに全国展開
そのため、旅館ホテルの集客策や地域経営を支援する専門家の顧問団も設けている。井門観光研究所の井門隆夫さん、インバウンドにっぽんの小野秀一郎さん、温泉ビューティ研究所の石井宏子さんの3人。
ネットワークの全国展開に先駆けて8月26日に熊本市国際交流会館で開いた九州ブロック会設立懇談会には顧問の3人も出席し、地旅の宿ネットワークの必要性を話した。参加した旅館ホテルは九州各県と山口県の約30社。協同組合全旅九州・沖縄の受入組織「九沖会」メンバーが中心で、全旅からの呼びかけに応じた。
8月に熊本で開いた九州ブロック会設立懇談会
設立懇談会で池田社長は「ANTA会員はすべて地域に根ざした生涯地域住民です。それぞれの地域が将来大きな希望を持てる地域づくりをするのが我々の使命です。国をはじめ滞在型として連泊を促していますが、滞在するだけの魅力的な商品がないことにはどうしようもありません。我々とともに地域の着地型旅行を造成していくことによって差別化もでき、九州の素晴らしさを全国の旅行会社に提案してください」と語り、九州ブロックが全国のモデルとなるよう協働を促した。
九州ブロック長に就いた高島淳一さん(黒川温泉・湯峡の響き優彩)は「地元を愛する地旅の考え方は旅館業にとっても追い風になります。九州を網羅するネットワークにしたい」と決意を述べ、参加した旅館ホテルも「地域活性化が旅館の繁栄につながる」などと声が挙がった。
全旅の池田社長(左)と高島・九州ブロック長
(トラベルニュースat 14年9月10日号)
→地域活性化へ協働-地旅の宿ネットワーク(3) 顧問3氏が発足にエールに続く
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