【鈍機翁のため息】(150)「マグダレンの祈り」II 修道院襲撃を約束するが…
映画「マグダレンの祈り」は実話に基づいており、それがわずか50年前の話であることに驚かされる。キリストによって改悛(かいしゅん)したマグダラのマリヤにちなんで命名されたマグダレン洗濯所が閉鎖されたのは1996年のことだった。16世紀後半に修道院に入れられたレアンドラも毎日、自分の罪を洗い流すように洗濯をさせられていたのであろうか。さて、本筋に戻ろう。青年の身の上話を聞いたキホーテは、自分にかけられている魔法が解けたなら、修道院に乗り込んで、有無を言わせずにレアンドラを救い出して青年に引き渡して進ぜよう、と約束する。これでは修道院襲撃ではないか。神に仕えるキホーテではあるが、修道院の実態について知るところがあったのだ。