産業観光で関西をアピール 近畿運輸局と経産局、連携強化で交流会
産業観光を訪日外国人客誘致の有望なコンテンツにしようと、第1回産業観光ネットワーク交流会がこのほど、大阪市北区のグランフロント大阪で開かれた。産業観光に取り組む企業、自治体など関係者約100人が参加した。交流会は、群馬県の富岡製糸場が世界文化遺産に登録されるなど、産業観光施設が注目を集めていることから、近畿経済産業局と近畿運輸局が主催した。近畿産業局の桜庭昭義通商部長は「関西には多くの産業観光施設が点在しています。関西に来ていただくために、皆さんの連携によって産業観光を海外へアピールしたい」と開催趣旨を説明した。
基調講演は、産業観光のパイオニアでJR東海相談役の須田寛さんが「訪日外国人に向けた産業観光の促進」について話した。愛知万博を2005年に誘致していた当時、海外で愛知の知名度が低かったことから「ものづくりのまちを発信し産業観光に取り組み始めました」と須田さん。「フジヤマ、ゲイシャから脱皮し、角度を変えた観光」として産業観光に力を入れていった。
須田さんは産業観光は世界のトレンドだと話し「全国128万の中小事業者を活性化させる唯一の方法」とし、外国人の訪日動機で高い値を示す日本の近代・ハイテク、産業観光を国策として推進していく必要性を説いた。
会では先進的に観光客を受け入れている産業観光施設の事例紹介、観光庁や経産省の施策、日本貿易振興機構(JETRO)の取り組みについても担当者から説明があった。