【歴史の交差点】明治大特任教授・山内昌之 ガザ、悲劇反復の理由
イスラエル軍によるガザへの大規模攻撃は、2008年の第1回、12年の第2回に続くものだ。今回の第3次ガザ戦争は、日本の終戦記念日にあたる8月15日時点でパレスチナ人に約2000人の死者を出し、イスラエル人の死者も約70人を数えている。犠牲者数のあまりの非対称に驚く人も多いだろう。理由の一端は、世界最先端の装備をもつイスラエル国家の軍隊が、非国家主体の武装集団ハマスに対して軍事的優位性を保っているからだ。イスラエル軍がハマスの陣地を攻撃すれば、狭隘(きょうあい)なガザ地域の住民が巻き込まれるのは理の必然である。